こちらテニマガ編集部、ただいま取材中

【USオープン2017 DAY14】燃え盛るテニスへの情熱を糧に、31歳ナダルが遂げた〈進化〉の証明

このエントリーをはてなブックマークに追加

「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月28日~9月10日/ハードコート)は最終日、男子シングルス決勝が行われ、世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)が、世界ランク32位で第28シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)に6-3 6-3 6-4で快勝。4年ぶり3度目のUSオープン制覇を果たした。グランドスラム通算優勝回数は「16」となり、男子ではロジャー・フェデラー(スイス)の19回に次ぐ史上2番目の記録を更新した。

◇   ◇   ◇

 それは完璧なナダルだった。トップ20と一人も対戦せずにつかんだグランドスラム・タイトル? ノバク・ジョコビッチ(セルビア)もアンディ・マレー(イギリス)もスタン・ワウリンカ(スイス)もいない大会で手にした栄冠? そんなものではこの31歳の〈鍛錬の美〉を否定することはできない。復活した旧二強の話題でもちきりだった2017年のグランドスラムを締めくくるにふさわしいプレーで、ナンバーワンに返り咲いたばかりの王者はその頂に立った。

「2週間の中で、テニスのレベルを上げ、自信も高めていけた。このトロフィーにはとても大きな意味がある」

 第1セットの前半はナダルが何度もブレークチャンスを握るも、身長203cmのアンダーソンが強力サービスを軸にしのぐという展開。均衡が崩れたのは第7ゲームで、デュースからアンダーソンのダブルフォールトとフォアハンドのワイドアウトでブレークに成功。さらに第9ゲームもブレークし、結局2-3から4ゲーム連取で第1セットを奪った。

 世界1位と32位という実力差に加え、グランドスラム初の決勝を戦うアンダーソンと、これが23回目というナダルの経験量の違いを考えれば、もはや勝負があったと考えてよかった。第2セットは第6ゲームをブレーク。第3セットは最初のゲームでブレークし、自身は一度もブレークポイントすら握らせなかった。

 10本のサービスエースを奪ったアンダーソンに対してナダルは1本にすぎなかったが、サービスにまつわる他のスタッツではすべてナダルが上回った。特に顕著だったのがセカンドサービスからのポイント獲得率。ナダルは70%、アンダーソンは36%だった。見方を変えれば、ナダルのリターンからの攻撃力を表した数字ともいえる。

 アンダーソンは、「ラファはリターンのポジションを頻繁に変えて多彩な攻撃をしてきた。僕がサービスゲームで苦しんだ理由だ」と振り返った。

 絶対にはずさないパッシングショット、巧みなボレーに力強いスマッシュ—-アンダーソンの長いリーチから繰り出される伸びのあるショットに対し、ベースラインのかなり後方に下がって打ち合うことも少なくなかったが、より洗練されたオールラウンダーへと磨きをかけたプレーを随所に見せ、勝利まで突っ走った。

 通算16回目のメジャー優勝のうち10回がフレンチ・オープンで、USオープンの3回はそれに次ぐ。初優勝がもっとも遅かった場所である。クレー・シーズンへの入魂、すべてのポイントがマッチポイントと比喩されるほど肉体と精神を酷使する戦い方から、シーズン後半のエネルギー切れが指摘された。選手寿命も長くはないだろうと言われたものだ。しかし、今年のナダルからはその評に抗ってきた努力が浮かび上がる。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
2017USオープン
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

こんな記事も読みたい

大坂なおみのアジアシーズンへの展望について。【女子テニスも熱い】

決勝のカードはナダルとアンダーソン 優勝の行方は 全米オープン2017決勝【change-the-flow】

【USオープン2017 DAY13】ジュニア男子ダブルスで日本人ペアの初優勝ならず、清水/堀江はマッチポイント生かせず惜敗【こちらテニマガ編集部、ただいま取材中】

ブロガープロフィール

profile-icontennistm

グランドスラム大会はもとより、インカレやインターハイといった国内トーナメントまで くまなく取材にあたるテニスマガジン編集部の精鋭編集部員が、現地で感じた様々な四方山話を語ります。毎月21日発売

  • 昨日のページビュー:24
  • 累計のページビュー:2643978

(11月24日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. HEAD黒塗りラケット、こっそり試してきました!!
  2. 日本のためにテニスで夢を。豪華メンバーが11月、有明に集結!
  3. ジョコビッチ初来日!
  4. 【USオープン2017 DAY10】デル ポトロの完全復活なるか、フェデラーを破って次はナダル
  5. 【USオープン2017 DAY4】大坂と奈良がグランドスラム自己最高タイの3回戦に進出!初突破に期待高まる
  6. 【USオープン2017 DAY12】男子決勝はナダル対アンダーソン、ジュニアの部で清水悠太/堀江亨が日本人ペアのグランドスラム初優勝へ王手
  7. まもなく開幕!楽天ジャパンオープン
  8. 【USオープン2017 DAY2】一年前の自分を克服、大坂なおみが昨年優勝者のケルバーを粉砕
  9. 【USオープン2017 DAY8】今大会最長の3時間36分、デル ポトロがドラマチックな勝利で2年連続の8強進出
  10. なんて日だ! ウィンブルドン フォト日記 Day3

月別アーカイブ

2017
10
09
08
01
2016
12
10
08
03
02
01
2015
12
11
10
09
07
06
05
03
02
01
2014
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2013
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2012
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2011
12
10
09
08
07
06
05
04
03
2010
09
08
07
06
05
03
2009
12
11
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2008
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2007
12
11
10
09
08
07
06
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月24日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss