ウィンブルドンテニス2017

―大会レポート― 最終日 フェデラーが通算8度目、メジャー通算19度目の優勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

 男子シングルスは第3シードのロジャー・フェデラーが第7シードのマリン・チリッチを6-3、6-1、6-4のストレートで下し、ウィンブルドンでは通算8度目、グランドスラムでは通算19度目の優勝を飾った。いずれの通算優勝回数も男子では史上最多。35歳342日のウィンブルドン優勝は、オープン化以降では最年長。この結果、週明けに発表される世界ランキングでフェデラーは3位に返り咲くことになった。優勝賞金は女子と同じ220万ポンド(約3億2400万円)。

 フェデラーのグランドスラム決勝進出はこれが29度目、チリッチは優勝した2014年の全米オープン以来2度目と経験の差は明らかだったが、チリッチに必要以上の緊張はなかっただろう。2014年の全米オープンでは勝ったこともあり、昨年の準々決勝ではマッチポイントまで持ち込んだ。今季の芝コートでの成績はツアートップの12勝2敗で、ここまでの勝ち上がりも自信に満ちたものだった。問題は立ち上がりだ。試合が煮詰まっていくほど、センターコートがフェデラーの後押しに回ることは昨年の経験でも分かっていた。最初にブレイクポイントを握ったのはチリッチだ。

 第1セットの第4ゲーム、チリッチがフォアの深いクロスからストレートに切り返しミスを誘って最初のチャンスが訪れた。しかし、そのセカンドサーブからミスが出て先手を奪えなかった。フェデラーは続く第5ゲームに攻勢に転じ、まずフォハンドをベースラインぎりぎりに持って行って0-15、次いでネット前の攻防からチリッチのアングルショットにぎりぎり追いついて返して0-30。華麗なウィナーにスタンドが反応すれば、フェデラーは勢いづく。ここをすかさずブレイクすると、続く2度のサービスゲームをいずれもラブゲームで奪って瞬く間に流れを作ってしまった。

 第2セットも最初のゲームをラブゲームでキープすると、第2ゲームを早々にブレイクして流れを固めるあたりがベテランの味だ。チリッチとしては長いポイントに持ち込んでリズムを作りたかっただろう。サム・クエリーとの準決勝の第1セットには、5本から8本のラリーが17回、9本以上のラリーが4回あったが、この日の第1セットは8回と1回だけ。フェデラーは、サービスゲームのポイント間の間合いも10秒ほどで打ちだしている。第2セットには一転してサーブ&ボレーに出るなど、打開策を模索しながら、途中でトレーナーを呼んでいる。前の試合で出来たマメが悪化し、セット間にはメディカルタイムアウトも取ったが、痛みの影響だけではなく、何とかリズムを取り戻したいという意図があったのではないか。相手がワザの引き出しが多いフェデラーでは手の施しようもない。第3セットも、懸命に抵抗したが第7ゲームをブレイクされ1時間41分で決着がついた。

 フェデラーはこの大会で1セットも落とさず、これはウィンブルドンでは自身初めて、4大大会では2007年の全豪オープンで記録して以来10年ぶり2度目のこと。グランドスラム2大会にマスターズ2大会など今季のツアー優勝はこれでツアートップの5回になった。全豪はフェデラー、全仏はナダル、そしてウィンブルドンがフェデラー。4大大会の3大会をかつての2強が制した。ノバク・ジョコビッチ、アンディ・マレーの故障が浮き彫りにされただけに、男子の勢力図はますます複雑になって来た。

文:武田薫



WOWOW TENNIS ONLINE

 グランドスラム全4大会を生中継するWOWOWのテニス特集サイト。大会の見どころや注目選手、試合結果速報、大会レポートなど最新情報が満載!グランドスラム期間外もニュース、コラムなどテニス界の“旬”な情報をお届けします! 詳しい情報はhttp://www.wowow.co.jp/sports/tennis/)まで!

1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
ウィンブルドン
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

こんな記事も読みたい

フェデラーの徹した戦略が導いたV8 ウインブルドン2017決勝【change-the-flow】

1セットも落とさずフェデラーが完璧な優勝、涙と執念を見せたチリッチを圧倒(ウィンブルドン2017)【0 to zeroのhorizon】

東京オリンピックまでに、テニスで勝てる日本人は現れるのか【千葉からスポーツを語る】

ブロガープロフィール

profile-icontennisgs

テニスのWOWOWがお届けするブログ。大会開催地から現地の様子や選手の素顔など、グランドスラムを100倍面白く見るための情報をお届け!
  • 昨日のページビュー:6151
  • 累計のページビュー:4732814

(07月18日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. −大会レポート− 第8日 錦織が全仏初のベスト8、「チャンスは優勝まである」と次はツォンガ
  2. ―大会レポート― 第4日 冷静に立て直す姿から見えた第5シードの貫録 錦織圭、期待が膨らむ戦いぶりで3回戦へ
  3. ―大会レポート― 第10日 死闘3時間58分! 錦織がマレーを突破
  4. −大会レポート− 第6日 2セットアップからの落とし穴 フルセットで辛勝の錦織、疲労は4回戦にどう響くか
  5. -大会レポート- 第4日 錦織万全の2回戦 「格の差」を見せつけクレー巧者を手玉
  6. -大会レポート- 第6日 錦織が4年連続で3回戦突破、16強に怖いものなし
  7. -大会レポート- 第5日 フェデラー時代に翳り、世界46位に敗れる波乱
  8. −大会レポート− 第6日 不戦勝で4回戦1番乗りの錦織が会見 「どこも悪いところはない」と自信
  9. ―大会レポート― 第6日 錦織が今季メジャー4大会すべてで4回戦進出決める
  10. -大会レポート- 第8日 完璧!錦織がウィナー43本を決めてベスト8に名乗り

月別アーカイブ

2017
07
06
05
01
2016
10
09
08
07
06
05
02
01
2015
10
09
07
06
05
02
01
2014
09
08
07
06
05
01
2013
10
09
08
07
06
05
01
2012
10
09
07
06
05
04
03
01
2011
11
10
09
08
07
06
05
01
2010
11
10
09
08
07
06
05
04
2009
10
09
08
07
06
05
03
02
01

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年07月18日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss