フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜①

このエントリーをはてなブックマークに追加

ローマン・ゴンザレスがシーサケット・ソールンビサイに接戦の末の判定とはいえ敗北。これをPFP1位が破れた衝撃的な試合と捉えている人は少ないのではないでしょうか。4階級制覇を達成した前戦もカルロス・クアドラス相手にやはり手こずりました。今回の試合は「ロマゴンがジュニアバンタムに適応できるのか」の二次試験の意味合いもありましたが、その合否の結果は明らかでした。

フライ級までのスタイルのままでは、シーサケットとの再戦があるとしても苦戦は免れないでしょう。105 ポンド47.62kgのミニマム級から115ポンド52.16kgのジュニアバンタムまで10ポンド4.54kgの大航海の末に座礁してしまったことは、ある意味想定内のことでした。

階級の壁は自身と対戦相手の問題です。増量しながらスピードと反射能力を維持できるか、パワーはついても相手はより頑健な肉体を持っているから、スタイルチェンジは必須です。ミニマム級ですでに完成しきったスタイルを確立していたがゆえに、スタイルチェンジは非常に難しい課題だったでしょう。

階級の壁に阻まれるケースの多くが、下の階級で無敵だったスタイルへの固執です。近年でもファンマ・ロペスやビック・ダルチニアン、ノニト・ドネア、エイドリアン・ブローナーら強打で最初の階級を制覇した才能が、周囲の予想よりも早い段階で階級の壁に阻まれてしまいました。

複数階級制覇の成功の秘訣は、スタイルチェンジ出来るかどうかの一点に尽きます。ヘビー級を奪取したロイ・ジョーンズJr、スタイルチェンジが退屈な試合をもたらしてしまうデメリットを悪役キャラで見事に補完したフロイド・メイウエザーJr、見事なスタイルチェンジをやってのけたこのレベルにならないと周囲の予想を超える複数階級制覇は難しいということでしょう。

ボクシングの歴史上、複数階級制覇という観点で最も大きな成功を成し遂げたのは、少なくとも数字上は世界唯一の8階級制覇(アルファベット団体へ偏執した日本では「6階級制覇」ですが世界的には8階級制覇と認知されています)のマニー・パッキャオでしょう。

しかも、パッキャオの異質なところは階級を上げるに従って避けられない相対的なパンチ力の低下と、対戦相手の打たれ強さの中でも、相手を下がらせる攻撃的なスタイルのまま、足掛け10階級、8階級で王座に就いたという点です。

112ポンド50.8kgのフライ級から130ポンド58.97kgのジュニアライト級までの18ポンド8.17kgもの長旅を爆発的な突貫型のファイタースタイルで突き進み、ライト級以降は目に見えるスタイルチェンジを行ったものの、対戦相手の周囲を旋回して角度をつけた波状攻撃を仕掛ける、やはり攻撃型のままです。

もちろん、パッキャオもメイウエザーやロイと同じリーグに属する稀代の天才ですが、その階級制覇のやり方は異彩を放っています。

パッキャオの複数階級制覇成功は単純な才能によるものなのか?それとも他の選手にはない特殊な背景があるのか? パッキャオの業績は、過去の複数階級制覇者の伝説と比較してもやはり飛び抜けているのか?

パッキャオの偉業はある意味、アジアのボクサーだから出来たとも言えます。 そして、過去の伝説にはパッキャオに比肩しうるグレートも存在します。

もう少し深く掘り下げたいと思います。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

「ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜①」へのコメント

今回のロマゴン陥落ですが 確かにショッキングでした。対戦が噂されてる我が井上チャンプでさえ五分五分ですから。階級のアップに伴いスピードダウンは否めません。然しガードが強固になりました。ディフェンスも強化されてます。やはり重いクラスに上げたから?同じ軽量クラスで引退したリカルドロペスです!打ち合いを徹底して避ける‼殴られる又は当てられる事を極端に嫌う‼余談になりましたが‼ひとつ気になった事があります。なかなか井上チャンプとの試合が組まれません。同じジムの八重樫チャンプの時は挑戦者でした。Sフライに上げて 河野チャンプ(元Sフライ)にオファーしたらしいですが!井上チャンプを避けてる気がしてならないのです。
昨年は早くリングでグラブ交えたい 言ってましたし 同門の八重樫チャンプより弱い?挑発ありました。ロマゴンのスタイルは変わらないと思います。先頃、引退した 長谷川穂積(元三階級王者)氏も言ってましたし スタイルチェンジが難しい 勇気が必要!全階級の通じてNO1とまで称賛されて プレッシャーもあったかも!です。判定がコールされて場内がドヨメイタそうですね!ダウンも気になったです。シーサケットとのりマッチですが・自信と言うのは恐いです。同じ ニカラグアの英雄:アレクシスアルゲロもプライアーの勢いに圧されりマッチも返り討ちに遇いました。井上チャンプもショックが大きいでしょうが,何とかモチベーション維持に努めてもらいたいです。ロマゴンの怪物伝説に陰りが見えてきた?再戦でも苦戦が予想されますが 復活(KO )を信じたいです。

こんな記事も読みたい

闘え、豊ノ島。【幕下相撲の知られざる世界】

【プロレス】春男となった柴田勝頼。約束を果たしにオカダの元へ。【西の落伍家】

ローマン・ゴンザレスの敗退は井上に大きな影響&ゴロフキンは勝ったけど【雨の日の日曜日は・・・スポーツ別館】

ブロガープロフィール

profile-icontanutan

アスリートの美しい躍動に歓喜の拍手をおくりながら、今再びの東京オリンピックを迎え撃ちます。
  • 昨日のページビュー:9065
  • 累計のページビュー:244207

(04月27日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 日本人の身体能力は黒人に劣るのか?①
  2. ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜①
  3. ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜②
  4. 大迫、東京五輪を2時間2分02秒で走るってよ!
  5. マラソン日本は復活するか?〜血と生いたちと環境〜①
  6. ロマゴン陥落で考える〜パウンドフォーパウンドとは何か?テディ・アトラスの抗弁〜
  7. ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜③
  8. 世界ウエルター級王座統一戦
  9. 英国ボクシング沸騰!今や本場は英国なのか?
  10. マジソン・スクエア・ガーデンへの道〜村田諒太、ミドル級王者へ〜②

月別アーカイブ

2017
04
03
02
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年04月27日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss