蹴鞠談議2

2016:J2:4節:A:vs水戸ホーリーホック「高くなったチームの重心」

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水戸vs岡山:2-3 得点者:35岩政 大樹(19片山 瑛一)、14押谷 祐樹(19片山 瑛一)、35岩政 大樹(19片山 瑛一) 警告:10船谷 圭祐(黄)、14押谷 祐樹(黄)、39篠原 弘次郎(黄)、35岩政 大樹(黄)、24赤嶺 真吾(黄) 観客数:5,193人 天候/気温/湿度:晴/14.7℃/55%

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:清水 勇人:3.0 副審:村井 良輔、日高 春樹:2.5

A:岡山

監督

長澤 徹:3.0

スタメン

24赤嶺 真吾:2.5 14押谷 祐樹:2.0、7伊藤 大介:3.0 19片山 瑛一:1.5、10矢島 慎也:2.5、5渡邊 一仁:2.5、21加地 亮:2.5 6竹田 忠嗣:3.0、35岩政 大樹:1.5、39篠原 弘次郎:3.0 1中林 洋次:2.5

リザーブ

GK:22椎名 一馬 DF:23久保 飛翔 MF:17島田 譲、26田中 奏一、16関戸 健二 FW:30豊川 雄太、13久保 裕一

途中交代

14押谷 祐樹→30豊川 雄太:3.0 7伊藤 大介→17島田 譲:2.5 10矢島 慎也→16関戸 健二:評価不可



H:水戸

監督

西ヶ谷 隆之:3.0

スタメン

11三島 康平:2.0、8ロメロ・フランク:2.5 26佐藤 和弘:2.5、10船谷 圭祐:3.0 7兵働 昭弘:2.5、22内田 航平:2.5 14佐藤 洋:3.5、30宋 株熏(ソン・ジュフン):3.0、5伊藤 槙人:3.5、2田向 泰輝:2.5 21笠原 昂史:4.0

リザーブ

GK:28石井 綾 DF:3佐藤 和樹、20今瀬 淳也 MF:17湯澤 洋介 FW:9萬代 宏樹、19山村 佑樹、29宮本 拓弥

途中交代

10船谷 圭祐→17湯澤 洋介:3.0 26佐藤 和弘→29宮本 拓弥:2.0 14佐藤 翔→19山村 佑樹:2.5

2、戦評

岡山は、前節一人少ない京都に追いつかれるという勝ち点2を逃して、今節こそ勝利をと強い気持ちを持って、水戸のホームに乗り込んで来た。 水戸も今季初勝利に向けて、士気は高い。 前半は、風上に立った水戸が終始優勢。 岡山の24赤嶺 真吾へのマークをしっかりして、孤立させた。 セカンドボールも水戸が拾い、サイドや中央から色んな形で岡山ゴールに迫った。 岡山は、途中から2トップに変更し、打開を図り形は作るものの、シュートまで持っていく事は出来なかった。 主導権を握って攻める水戸に対して、岡山は、35岩政 大樹を中心に粘り強く守って決定機は作らせず、無失点で、前半を折り返す。

ハーフタイムでの交代は、両チーム無かった。 前半の膠着状態の中で、主導権を握っていた水戸ではなく、岡山が先制点で試合を後半の早い時間に動かす。 19片山 瑛一のロングスローに対して、後方からやってきたノーマークだった35岩政 大樹が、30宋 株熏に競り合いというデュエルで勝ち、力強いヘッディングシュートを決めて、先制ゴール。

劣勢だったが、先制点で流れを掴んだ岡山に対して、水戸は10船谷 圭祐に代えて、17湯澤 洋介を投入。 すると、その17湯澤 洋介のミスパスから岡山のカウンター。 19片山 瑛一がボールを奪って、すぐ前方の14押谷 祐樹に預けて、スペースへ走った19片山 瑛一がサイドでリターンパスを受ける。 19片山 瑛一は、14押谷 祐樹の足下ではなく、14押谷 祐樹の狙っているスペースへのパスを出す。 14押谷 祐樹は、絶妙なトラップからしっかりコースを狙ったシュートを放ち、これが決まって、岡山が追加点。

しかし、これで逆に火が付いた水戸がすぐさま1点返す。 水戸がサイドを5伊藤 槙人→22内田 航平→26佐藤 和弘と創造性溢れるパス交換で、一気にサイドを突破すると、26佐藤 和弘がクロス。 一度は6竹田 忠嗣がブロックするも毀れ球を22内田 航平がダイレクトでラストパスを入れて、11三島 康平が、押し込んで、1点返す。

その後は、お互い攻め合い岡山も追加点のチャンスがあったが、決めきれないで試合が進行するとアディショナルタイム。 水戸がFKで、7兵働 昭弘が素早いリスタートで、2田向 泰輝がパスを受けて、1トラップ後中を見て、狙いすましたクロスをを入れる。 これにルーキーでこの試合がデビュー戦の29宮本 拓弥が、高い打点のヘディングシュートで、プロ初ゴールを決めて、水戸が、同点に追いつく。

しかし、試合は、これで終わらない。 19片山 瑛一のクロスは、一度は跳ね返されるも毀れ球を競り合いというデュエルで、21加地 亮→5渡邊 一仁→16関戸 健二→19片山 瑛一と繋ぐ。 19片山 瑛一は、この場面で、ループパスとも言えるクロスを上げるという驚異的な落ち着きからのパスにファーサイドに居た35岩政 大樹へと通る。 35岩政 大樹は、このクロスでヘッディングシュートを放ち、GK21笠原 昂史の頭上を超えて行く浮き球のヘディングシュートが、ファーサイドのゴールネットを揺らして、劇的勝ち越しゴール。 19片山 瑛一とクロスと35岩政 大樹のゴールは、時が止まる様な難易度の高い素晴らしい勝ち越しゴールだった。

前節の悪夢を払拭する劇的勝利で、岡山は今季2勝目。 しかし、岡山としては、2試合連続複数失点かつ、アディショナルタイムに追いつかれるという課題を残した試合となった。 また、水戸にとっては、勝ち点0から勝ち点1を獲得という最低限の結果が手に入ると思ったが、同点に追いついた直後の失点で、悔しい敗戦となった。

3、試合評

チーム評

A:岡山

6竹田 忠嗣、19片山 瑛一、10矢島 慎也で守る左サイドは、明確な弱点を抱えている事は、ここまでの4試合で、誰が見ても明らかである。 19片山 瑛一と6竹田 忠嗣、10矢島 慎也の攻撃力というのは、ここまでの8得点の攻撃を支えている事は間違いない。 逆に右サイドは、21加地 亮、5渡邊 一仁、39篠原 弘次郎というのは、球際のでの守備に強い選手。 今季右サイドを崩されてというのは少なく、失点シーンでは、左サイドから崩されて、最終的にその影響で生まれたスペースを使われて失点している。 35岩政 大樹も釣り出されて、中央の高さや強度が損ねて失点するシーンも目立つ。 チームとしては、当然この部分の組み合わせとして色々と試している事が予想されるが、ここを弄る事によって、すぐに得点力不足に陥る事も十分あり得る事もあり、手を加えにくい。 左サイドを攻略された時に崩し対策として、39篠原 弘次郎に代えて高さのある23久保 飛翔の起用も考えれるが、経験や連携を含め、まだ時期早々と言える。 現実的な選択として、ボランチを3枚にする事で、低い位置で左サイドをカバーする力を上げるという選択肢もあるが、この試合の様に主体的に攻めるという事が、難しかった時にシステムを変更する事を重視している様だ。 攻撃と守備は、表裏一体であり、守るだけでは勝てないし、その辺り広島の様に攻める時と守る時。 これを見極めて、運動量を抑えつつ、守備を固めて、カウンターで加点を狙う。 そういった90分間でのインテンシティの強いサッカーを出来るかどうか。 現状は、チームとしては守備が脆く、インテンシティに欠けている。

また、チームとしてかつてなく、主体的に攻める時間帯というのが多く、前がかりになる部分がある。 昨季までは、前線まで運ぶことが難しい時間帯が多かった。 しかし、攻撃のタレントが多く揃ったが事で、デュエルの部分でも戦えるようになり、ボールをキープ出来たり、シュートまで持っていく事が出来る様になっている。 昨季と違って誰か1人を抑えていれば、岡山の攻撃を抑えられるという事は無く、多くの選手に注意する必要があり、ここまで高い攻撃力を誇っている。 徐々に攻撃の形が良くなっており、これに20藤本 佳希であったり、11三村 真といった選手が、戻ってくればもっと良くなるだろう。 一方で、攻めれている分、隙が生じてそこから失点する事も多く、ゴール前に人数が集まって跳ね返すというシーンは、昨季と比べて少ない。 その結果、個の守備力の低さというのが目立っており、その部分を練習から負けない様に集中して行く必要がある。 そして、チームとしての重心の高さに早く慣れて、安定した守備を取り戻して行きたい。

H:水戸

1本間 幸司の欠場が大きいと感じた。 21笠原 昂史のミスキックというのが目立ち、チームのリズムを作る上での大きなマイナスであった。 また、水戸の右サイドというのは、大きな武器となっていた。 得点は何れも右サイドからで、SBである2田向 泰輝が、絡んだ効果的攻撃が多かった。 岡山の守備のウィークポイントである19片山 瑛一と6竹田 忠嗣サイドから攻略した。 また、デュエルの部分で、戦える選手も多く、ゴール前での強引さというのは、目を引いた。 一方で、岡山と違い絶対的な個を持った選手が少なく、オフで主力が何人か抜けていた影響を感じる部分はあった。 しかしながら主力が毎年抜けて行く中で、良い選手の獲得する確かな水戸ホーリーホックファミリーの総合力の高さは、感じる所である。 2点差から猛追というのは素晴らしく、チームとしての勢いというのは、岡山の油断を的確に突き、一時的に同点まで持っていく事が出来たという点は、称賛に値する。 チームとしてのすぐ失点してしまった事は良くないが、今後はそこから逆転まで持っていく強さであったり、そのまま終えるというメンタルの強さ。 今季のJ2もレベルが高く、勝ち点を稼ぐためにもその部分で強さをみせたい。

選手評

A:岡山

再三レビューを言及してきた24赤嶺 真吾だが、この試合に関して言えば、前半は孤立していたが、前半途中に2トップにしてからは少しずつ良くなり、後半には、得点のチャンスもあった。 惜しいシーンまで作っていたので、後は決めるだけという印象。 ここまでフル出場を続けており、運動量、技術部分に安定してハイパフォーマンスを維持している。

1中林 洋次のファインセーブは、この試合でも見れた。 2失点は、何れも防ぐのは難しいと言える。 この試合でも持ち味である守備範囲の広さという部分で、効いていた。 開幕からここまで失点数こそ多いが、大きなミスも少なく、好調を維持している。 チームとしてフォローしていきたい所。

14押谷 祐樹もここまでチーム最多の3得点と好調である。 昨季と比べて、長い距離をドリブルで持ち上がってシュートというパターンでのゴールは今処の無く、クロスから頭で2得点。 ペナルティエリア内に侵入してシュートで1得点と、ゴールに近いところで良いパスを受けて、シュートまで行けている。 チームとして連動した攻撃が出来ている証拠である。

H:水戸

この試合がデビュー戦の29宮本 拓弥の高さは、水戸の大きな武器になりそうである。 得点のシーンのヘディングシュートも威力は申し分のない良いゴールだった。 ゴールシーン以外でも高さを武器に惜しいシーンを作っており、42試合という長いシーズンの中で、スタメン出場も十分あり得るし、出場する中で、成長出来れば、結果も付いて来る。 FWであるからフィニッシャーではあるが、流れの中からどれだけ貢献できるか。 そこがポイントとなる。

30宋 株熏もU-23韓国代表という事もあり、デュエルの部分での強さが光った。 失点シーンでは、35岩政 大樹に競り負けたものの随所随所で、CBに必要な力強さがあり、非常に頼もしい存在と感じた。 リオ五輪の大会で、対戦する事があれば、強敵として立ち塞がる事は間違いない。

8ロメロ・フランクや17湯澤 洋介のドリブルというのは、迫力があった。 17湯澤 洋介のドリブルからの次のプレーで失点に繋がったもののこれからが楽しみな選手であり、委縮せず頑張って欲しい。

7兵働 昭弘もプレースキッカーとして水戸の攻撃を牽引する中心選手である事は間違いない。 一本のパスを通す技術であったり、視野の広さは流石であった。

2田向 泰輝のクロス精度というのは、脅威であった。 失点に繋がったシーン以外でも水戸の攻撃の重要な役割を担っていた。

4、試合後記

MOM

「35岩政 大樹」

ロングスローとクロスからヘッディングシュートで2得点。 何れにも19片山 瑛一からの出されたものだったが、2得点目の得点は、快心の軌道を描いての気持ちの良いヘディングシュートだったとか。 守備の中心的な選手として、ここまで失点が増えている事に対して、非常に不満と危機感を抱いており、そこへの改善への対策を練習から監督と選手、スタッフと一丸となって取り組んで欲しい。

MIP

「19片山 瑛一」

ロングスローで1アシスト。 クロスで2アシスト。 昨季も何度か取り組んでいたWBというポジションで、結果を残している。 ゴール奪うという事にプレッシャーを感じる選手の一人だったが、FWからWBにポジションを移して、味方を活かすというポジションに移った事で、良い感じに力が抜けて良いパスを配給出来ている。 得点に繋がらなかったシーン以外でも良い形を何度も作れており、攻撃面では、チームのストロングポイントになっている。 そして、この試合では少なかったが、デュエルの強さが際立っている。 今後の課題としては、運動量の部分であったり、チームにおけるWBとしての組織的守備。 特に攻撃に出た後などに出来るスペースのケアの判断に関しては、6竹田 忠嗣と共に煮詰めて行く必要がある。

満足度

8点(10点満点)

試合自体の面白さは最大級の面白さがあり、今季最高のエンターテイメントだった。 前半の息の詰まるの様な守備の固さ。 それが後半に一転して、得点の獲り合いになった。 こういった劇的試合をホームで出来れば、観客は増えて行く事は、間違いない。 一方で、守備を改善して行かなければ、いつまでもこういった状態は、続かないので、しっかりチームを立て直していく必要がある。 そういった課題と言える部分が、試合の面白さとは別に、不安としても満足度を下げた。 守備でも好調の攻撃力を活かして、勝利に繋げるためにも失点を少なくしていって欲しい。

岡山から世界へ

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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2008年以降は、ファジアーノ岡山のサポです。
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