しゅりんぷ池田のカード春秋

最高勝率のタイトルに思う

このエントリーをはてなブックマークに追加

 昨秋以降に制作した2作のカードで「最高勝率」のタイトルカードを作る機会がありました。まず「FUSION」というシリーズでは16年シーズンのタイトルホルダーのカードを作ったのですが、パ・リーグの最高勝率投手が激戦だったのです。

BBMベースボールカード FUSION2016 http://www.sportsclick.jp/products/detail.php?product_id=8195

結果的にはソフトバンクの和田毅が15勝5敗の勝率.750で同タイトルを獲得したのですが、同選手の同僚の千賀滉大が9月3日までに12勝1敗で9割超という驚異的な勝率を記録していたのです。

ところが、このタイトルには「13勝以上の投手が対象」という縛りがあるのです。自分はシーズン終了までに千賀がもう1勝して同タイトルを獲得するだろうと思い、彼のカードを準備していたのですが、同選手は続く3試合の先発で1勝も挙げられず、12勝3敗の勝率.800は和田のそれを上回りながら「13勝以上」の規定に阻まれて、同タイトルを逸したのでした。

この「13勝以上」という規定は86年にパ・リーグで設けられたのですが、この数字にどんな合理性があるのか、はなはだ疑問です。従前は「規定投球回以上」が対象だったのですが、73年の八木沢壮六(ロッテ)の7勝1敗、勝率.875のように1ケタ勝利の最高勝率投手が出現するようになり、さすがにどうにかしないとということになったのでしょうか。しかし、どうして「13勝」なのか? 「2ケタ勝利」ではダメなのか? 疑問が残ります。

そして、続く「タイムトラベル1975」でも75年のタイトルホルダーを作ったのですが、この年のパ・リーグの最高勝率は近鉄の鈴木啓示と日本ハムの野村収が勝率.786の同率で同時受賞。その内容は鈴木が22勝6敗だったのに対して、野村のそれはちょうど半分の11勝3敗。貯金16の鈴木と、半分の8の野村が同じ評価というのも理不尽を感じますが、「勝率」ではまったく同じ。

BBMベースボールカード タイムトラベル1975 http://www.sportsclick.jp/products/detail.php?product_id=8235

しかも、野村はこのシーズンの最終戦で3敗目を喫しなければ、11勝2敗の勝率.846で鈴木を上回っていたのです。

ちなみに、同年の鈴木の22勝、防御率2.26はともにリーグ2位ながら、勝率1位投手となって75年の近鉄の後期優勝に貢献し、同年のベストナインに選ばれています。

その昔は「最多勝」「最優秀防御率」「最高勝率」が投手三冠と呼ばれていたのですが、現在は「最高勝率」に代えて、「最多奪三振」を加えるのが一般的だと思います。

主戦投手が20勝も30勝もしていた時代にはいかに貯金を稼ぐかという勝率が大事な指標だったのですが、投手の分業制が進んで最多勝が20勝以下で決するようになると、勝率はあまり顧みられなくなり、73年からはリーグの表彰対象から外れます。

 その後、パ・リーグで02年から「最優秀投手」の名称で最高勝率投手の表彰が復活。13年からはセ・リーグもこれに追随し、同リーグも「13勝以上」という規定を設けて、現在は「勝率第一位投手賞」という名称で両リーグが最高勝率投手の表彰を行っています。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:
野村収
鈴木啓示
千賀滉大
和田毅
最高勝率

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

こんな記事も読みたい

2017個人的セリーグ他球団分析 【日々戯言 ~Road to invincible Baystars~】

1984年を回顧する⑦10月【カープ中心、日本酒ちびちび観戦記】

最適なキャンプ地とは…。【飛鴎乗雲】

【パ・リーグ・2】2016年4月10日/福岡ソフトバンクホークス vs オリックスバファローズ/藤崎台県営野球場(熊本県熊本市)【55キロのぶらり旅 ~スポーツ観戦編~】

南海ホークス 1977年~88年 三代目球団旗、球団マスコット たかちゃん 応援旗、福岡ソフトバンクホークス 練習球【やっぱり“T-1”は悪球打ちby23(フタミ)】

専門学校の教壇に立つ元プロ野球選手・湯上谷竑志氏インタビュー その2【阿佐智の「アサスポ・ワールド・ベースボール」】

専門学校の教壇に立つ元プロ野球選手・湯上谷竑志氏インタビュー その1【阿佐智の「アサスポ・ワールド・ベースボール」】

デスパイネ選手加入??【神﨑奈和の「ろくなもんじゃねぇ!」】

ブロガープロフィール

profile-iconshrimp

しゅりんぷ池田
1965年7月3日生。香川県出身。カルビー、エポック社にてカードの制作に当たる。現在はBBMカードの編集にたずさわる一方で、「週刊ベースボール」「スポーツカード・マガジン」などにも寄稿している。プロフィール詳細は下記参照
[[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%82%85%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%B7%E6%B1%A0%E7%94%B0]]

↓感想・質問などは下記までお寄せください
Facebook
[[http://www.facebook.com/profile.php?id=100002174797902]]
mixi
[[http://mixi.jp/show_profile.pl?id=3899694&from=navi]]
  • 昨日のページビュー:62
  • 累計のページビュー:1424825

(11月18日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. NPB史上、投手の最強打者はだれ?
  2. 投手の1ケタ背番号は、なぜ奇異に見えるのか?
  3. 帰国してから大出世。MLB代打本塁打記録保持者のマット・ステアーズ(中)
  4. “トンマのマント”ジェフ・マント(巨)は今
  5. MLBの監督・コーチに元来日外国人選手が多い理由
  6. 太平洋クラブライオンズの思い出
  7. 1975年のデーブ・ジョンソン(巨)
  8. 指導者として大出世! ナイトの称号も授与。ヘンスリー・ミューレン(ロ・ヤ)
  9. 通算38勝ながら12球団から勝利を挙げた悲運の投手、古賀正明
  10. 最高勝率のタイトルに思う

月別アーカイブ

2017
01
2013
08
07
2012
01
2011
05
04
2010
09
06
05
01
2009
11
10
07
06
04
03
02
01
2008
08
07
05
03
02
01
2007
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2006
12

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月18日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss