プロ野球死亡遊戯

【オールスター超世代遊戯】赤く塗れ!ついにプロ野球界は「ヤンヘル時代」に突入するのか?

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「野球選手もみんな(出場したいと)そう思っています。
でも、それだけじゃやれない部分もあるので」
(21日付スポーツ報知より)

田中将大のこのコメントが今回のWBC不参加問題を的確に言い表しているだろう。
選手もやりたければ、ファンも当然見たい。
各報道機関にいたっては、何とか参加の方向に持っていこうと躍起になっているようにすら見える。
彼らも野球界の数少ないドル箱ソフトを失いたくはないのだろう。
私は主要スポーツ各紙の記事に目を通してみたが、
なぜ不参加なのかという検証よりも、選手会の姿勢に疑問を呈す論調の記事がほとんどだった。
いわゆるひとつのメディア・リテラシー。
目の前にパイオツがあったら、誰だって揉みたい。
だが、ものには順序というものがある。
ジャーブラを舐めてはいけない。噛むんだ。
そういうことじゃないだろう。
クリアすべき問題から目を逸らして、ぶっこんだところでしくじった時の代償はでかい。
今回改めて露呈したのは、日本球界におけるコミッショナー死亡遊戯。
「カトウさん、イイ人ね・・・」
野球ファンはWBCの向こう側に時の涙を見た。

この件については、現段階では開示されていない情報も多いと思われるので、
また後日、「WBC死亡遊戯」として再検証する予定だ。
なにはともあれ、オールスター強化週間。
ここまで2試合を見た感想としては、ユルユルのガバガバだ。
笑顔、笑顔、また笑顔、緊張感の欠片もない。
だから、最近のオールスターはつまらないと絶望するオールドファンの方も多いだろうが、
これが新時代の夢の球宴なのだと私は肯定的に捉えている。

週末の「プロ野球ニュース」では過去の名勝負をまとめた、
限りなくガチに近い緊張感溢れる対決の数々が放送されていた。
野茂vs落合、与田vs清原、上原vsイチロー、松坂vs松井。
まさにプロ野球黄金時代を支えた男たち。
あの頃は、WBCもセ・パ交流戦も存在せず、メジャー移籍もまだリアリティは薄かった。
すべてのストーリーは日本球界で完結していたのだ。
確かに、プロ野球にとってはいい時代だったのかもしれない。
例え、これから日本球界を鎖国化しようともあの頃の興奮は二度と味わえないだろう。
プロ野球黄金時代もオールスター黄金時代もとっくに死んだ。
そして、同時に新しい何かが始まりつつある。

今の選手は皆一様にシャイだ。
笑顔の下に見え隠れするのは、照れだろう。
昔の全パのベンチには、門田、福本、山田、東尾、村田、落合といった大御所たちがいた。
泣く子も黙るベテラン陣。
夜道ですれ違ったら、ダッシュで逃げたくなる男たち。
稲葉や井口も彼らと年齢的にはそう変わらないが、キャラの方向性が全く違う。
頑固オヤジではなく、聞き分けのいい兄貴分。
これは野球界だけの問題ではなく、日本社会や世代論という途方もない議論になってしまう。
一言で言えば、時代が変わったのだ。

新時代を担うヤング・ジェネレーションの台頭。
今年のオールスターの主役は、広島カープの若い選手たちである。
第2戦のMVP前田健太、新人王レースを独走する野村祐輔、ハタチのプリプリ堂林翔太。
さらにオールスター不選出ながら、21歳の鉄仮面セットアッパー今村猛や高橋慶彦二世ことルーキー菊池涼介。
まさにヤング・赤ヘルの面々。
略して「ヤンヘル」。
ヤンママちゃうで、ヤンヘルやで。
ヤンエグよりもちょっとシャイ、育てるプロ野球チーム・ヤンヘル。
前半戦終了時、82試合消化して38勝38敗6分。セ・リーグ3位ターン。
勝率5割で前半戦を終えるのは02年以来10年振り。
Aクラスでの折り返しは97以来15年振りの快挙である。
FA制度と逆指名ドラフト導入後、苦戦の続いた広島だったが、
逆指名制度廃止後の07年以降に獲得した若い選手達が続々と1軍デビュー。
昨年のドラフト1位福井優也に続き、今年のドラ1野村祐輔もローテーションに定着。
シーズン序盤は好投をしても援護に恵まれない試合が続いたが、
前半戦だけで7勝を上げ、防御率はトップのマエケンに僅か0.01差、リーグ2位の1.41。
オールスターで野村のボールを受けたヤクルトの相川がこんなコメントを残している。
「ストレートの中にも4種類ぐらいの緩急をつけていた。
新人であんな選手がいんるんだなあ、と思いましたね」
(22日付スポーツ報知掲載)
同級生の中田翔(日ハム)は打席に立った感想を聞かれ、「真っすぐ速いやん」と野村の実力を素直に認めた。

今年の全セ投手の目玉がこの野村なら、打は堂林だろう。
プリンスは第1戦から巨人の坂本勇人に密着。
試合前のキャッチボールや打撃練習で共に汗を流した。
右打ちの内野手、イケメンでスタイル抜群という共通点だけではなく、
同世代の野手陣を引っ張るトップランナーとしての立ち位置も近い。
堂林とノックを受ける坂本の表情は、嬉しくて仕方がないといった笑顔を浮かべている。
それもそうだ。これまで坂本は無人の荒野をひとりで突っ走ってきた。
続々と現れる同世代の好投手とは対照的に、野手は坂本のひとり勝ち状態。
おまえらなにやってんのや!
ライバルの不在。
スペシャル・ワンの苦悩。
そんな時、出現したのが堂林翔太だった。
「無人島に流れ着いたと思ったら、仲間がいた」
プロレス黄金時代、藤波辰巳と大流血の熱戦を繰り広げた直後の前田日明の言葉である。
坂本に堂林、そして中日のルーキー高橋周平、DeNAの筒香嘉智。
「俺たちの時代だ!」
5年後、セ・リーグは「坂堂高筒」時代へと突入していることだろう。

果たして、広島はセ・リーグ新世紀の旗手として悲願の覇権奪回はなるのか?
颯爽と登場したベビーフェイスのヤンヘル軍団。
受けて立つのは、球界最大のヒール読売巨人軍。
それはジャンボ鶴田という巨大な存在に何度倒されようと立ち向かった、
若き日の三沢光晴や小橋健太の「超世代軍」を彷彿とさせる鉄板アングルである。

最近のプロ野球はつまらない?
そんな連中にはこう聞き返せばいい。
「そう言うあんたは、カープの野球を見たのか?」

See you baseball freak・・・




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【オールスター超世代遊戯】赤く塗れ!ついにプロ野球界は「ヤンヘル時代」に突入するのか?

プリンスの定義は、「若いイケメン、素材は良いが未完成、儚さ、爽やかさ」といったところでしょうか。
倒れそうで倒れないヒロイズム。
ほぼ女性アイドル論と同じだと思います。

ダルビッシュなんかまさに貴公子といった風貌ですが、
実力が圧倒的だったためにハムのプリンスという感じではない。
巨人の坂本も1軍に定着して、立ち位置が安定してきた。
(スローイングは不安定ですが・・・)

となると、今の球界の若手野手では堂林はまさにプリンスなのかなと。
見た目はもちろん、高校時代の実績、伸び代、全体から醸しだすモノホン感。

ちなみに投手では、巨人のエスペランサ宮国なんかもこの系譜だと思っています。

【オールスター超世代遊戯】赤く塗れ!ついにプロ野球界は「ヤンヘル時代」に突入するのか?

はじめまして 
いつも楽しく読ませていただいております。

『鯉のプリンス』というのは、どういう意図だろう?
開幕前からずっと謎に思っていましたが、
入団3年目に3割に乗せ『広島のプリンス』と呼ばれていた
高橋慶彦にちなんで?と最近はそう思っています。

今日から後半戦、
初代・プリンスに近づけるかも、あわせて楽しみにしています。

【オールスター超世代遊戯】赤く塗れ!ついにプロ野球界は「ヤンヘル時代」に突入するのか?

来シーズン、黒田の広島復帰が実現したら、これは事件ですよね。
現在ヤンキースのローテを守り9勝ということは、最終的に13~15勝は堅い。

となると、「前年メジャー15勝投手の日本球界凱旋」という前代未聞のギミックが完成する。
これまで元最多勝(ペニー)とか元セーブ王(ゴセージ)はいましたが、
来日前年のこのバリバリ感は凄い。
まさにボブ・ホーナーの投手版でしょう。

巨人も仮にガッツの4億円分の年俸が浮くようならば、
ガツンと投資してメジャーのレギュラークラスのパワーヒッターを連れて来て欲しいものです。
93年入団、元ホームラン王ジェシー・バーフィールドは成績だけ見ると失敗ですが、
強肩の外野守備も含めてそれなりに盛り上がりましたからね。

【オールスター超世代遊戯】赤く塗れ!ついにプロ野球界は「ヤンヘル時代」に突入するのか?

更新ご苦労様です
三十代のカープファンですが、ジャイファンのブログはこちらだけは楽しく拝見しています

カープの記事を書いてくださり、ありがとうございます
最後の優勝が自分が中学生の時、久々に少し期待ができるチームになってきました
投手王国の再建なるか、堂林・岩本の左右長距離砲の実現なるか、と楽しみなギミック満載です
今年も優勝までは厳しいですが久々のAクラス入り…
そして来年はチャンピオンリングを土産に背番号15が復帰して黄金時代の再来を…と妄想中です

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WBC辞退他【これからもカープを応援して行きます】

○ オールセントラル 4-0 オールパシフィック@松山【スライリィーと愉快な仲間たち ~広島カープ優勝までの軌跡~】

ブロガープロフィール

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【著者紹介】
今季は東京ドーム観戦を中心に地方球場にも度々遠征。Twitter死亡遊戯も絶賛開催中。

●単行本『プロ野球死亡遊戯 さらば昭和のプロ野球』(ユーキャン)

●単行本『隣のアイツは年俸1億 巨人2軍のリアル』(白泉社)

●単行本『プロ野球死亡遊戯 そのブログ、凶暴につき』(ユーキャン)

●雑誌ヤングアニマルにて、プロ野球小説『絶体絶命』連載中(毎月第2・第4金曜日発売)

●スポーツ報知にて『ズバッとG論』連載中(月1ペース)

●文春オンラインにて『文春野球コラムペナントレース』巨人編を連載中(週1更新)

●NumberWebにてコラム『ぶら野球』連載中(隔週)

●サッカーキングにてサッカーコラム連載中(隔週)

●e+スパイスにてプロレスコラム連載中(隔週)

●主婦の友生活シリーズ『読む野球』にて00年代の球界を振り返る『バック・トゥ・ザ・プロ野球』連載中

●ベースボールチャンネル http://www.baseballchannel.jp にてコラム連載中(隔週金曜日更新)

●ベースボールキング http://baseballking.jp にてコラム連載中(隔週月曜日更新)

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